水耕栽培と成長阻害の要因
作物の栽培で成長を阻害する要因は、害虫・カビ菌・日照不足・窒素過多(つるボケ)など様々です。特に土耕栽培では、日照りや日照不足による被害は深刻で、多種にわたる害虫や細菌類の増殖が顕著に現れます。
この点水耕栽培は、室内ゆえに害虫の予防や細菌類の感染予防もしやすいですし、ライトを使用する事で日照(光合成)を補う事も出来ます。
ですが、手を抜けばすぐにこうした問題に直面しますので、水耕栽培でも最低限は知っておきたい予防と対策についてご紹介したいします。
水耕栽培で起きやすい害虫・ウイルス・細菌
一般に害虫や細菌類は土壌があるところで発生しやすく、土を使わない水耕栽培は衛生的な管理が可能であるため被害にあいにくいと言われています。
ですが、一部の害虫や細菌類は水耕栽培であっても栽培環境によっては発生します。
アブラムシ
アブラムシは春と秋に発生し、植物に付着をすると急激に増殖(1匹から1万匹以上)します。
特に新芽を好み、茎や葉の裏に寄生して汁液を吸う小さな緑色の虫です。
アブラムシが好む野菜
寄生されやすい野菜はアブラナ科(キャベツ・コマツナ・ラディッシュなど)、ナス科(ナス・ピーマン・トマトなど)、ウリ科(かぼちゃ・キュウリなど)、ネギ類などかなり多くの植物にで大量に発生します。
私は以前ベランダに小型のビニールハウスを用いて水耕栽培でピーマン・ナス・シシトウなどを栽培しましたが、アブラムシの宝庫となってしまい撤収をしました。
このうち最も被害がひどかったのはピーマンとシシトウでした。
発生しやすい状況
害虫は弱っている個体に発生するとも言われています。
アブラムシは植物の細胞壁が薄いところで口針を刺して汁液を吸う為、徒長苗も被害に遭いやすいようです。
非常に小さいアブラムシは、羽根のある「有翅型」が飛来する事により始まりますが、寄生されている事に気が付くのはかなり増殖をしたときかも知れません。
水耕栽培でもアブラナ科は天気の良い日に2~3回出しただけでも、発生してしまいます。気づいたのは播種から21日目の17日でした。

播種後25日目のラディッシュ ここで撤去
アブラムシが媒介するウイルス
モザイク病や、すす病を発生します。
アブラムシの予防と対策
窒素:アブラムシは窒素肥料に寄ってくるとも言われていますが、水耕栽培では希釈濃度を守り、定期的に液肥を替えて濃度が偏らないようにします。
指で除去:水耕栽培では早期発見が可能な為見つけた場合は、指で除去をする事も可能ですが、その繁殖力は強靭で、1匹でも残すと翌日すぐにまた姿を見せます。
環境整備:日当たりと風通しを良くして、根本にアルミホイルなどをかぶせておくのも良いと言われています。
うどん粉病(糸状菌)
植物全般に発生するカビに『うどん粉病』があります。
これは室内栽培でも発生するカビで胞子が風に飛ばされることで起こります。
春から秋の高温期(4月下旬~10月下旬)に発生しやすく、葉の付着に始まり放置をすると植物全体を白い粉が覆う(その名の由来)ため、光合成が妨げられ、生育不良となり実が少なくなるか枯死します。
食べる事は可能ですが、うどん粉病は対策をしても完全に除去するのが難しい為、発生後に実をつけてもなかなか食べる気にはならないかも知れませんので、最小限には抑えていきたいものです。
うどん粉病の対策
最も効果的な対策は、収穫期を高温多湿時期を避けて設定し、逆算して種を撒くことです。
一般にカビは乾燥した環境に弱いのですが、湿度が70%以上、水分、栄養、酸素が揃う事で急激に増殖し始めます。
それが6月下旬から10月上旬です。5月下旬になるとちらほらとうどん粉病が目視できるようになりますので、葉を適度に摘み(摘葉)、風通しを良くします。
特に窒素過多では養分が豊富で葉が生い茂る為(つるボケ)、窒素を控えた肥料に変えて、無駄な葉は除去していきましょう。
重曹水スプレー(500~1000倍希釈)や酢水スプレー(100倍)による防除方法もあります。

2021年10月21日 室内
栽培でもうどん粉病は発生する

2022年6/23 室内栽培で植物育成ライトを強化
水耕栽培と窒素過多
水耕栽培では、決まった量の液肥を定期的に変えるのですが、成長が進むにつ入れ液肥の消費量が極端に減っていくため、つい継ぎ足し継ぎ足しにしてしまいます(私だけ?)。
そのせいか、つるボケした個体も見られました。

ミニトマトのレジナ 2022年の春栽培6月ころ

右上と手前の物がつるボケ
ミニトマトなどは、一株~2株で栽培を行う事をお勧めします。
水耕栽培と藻(藻類)
水と光、栄養と適温の環境で発生するのが藻です。
発生の仕組みは空中から胞子が飛んで来て、分裂を繰り返すことで増殖します。特に強い日差しの中で急速に増えていきます。

右下のポット:藻はライト下でもスポンジに付着
水耕栽培では、液肥を含んだスポンジに光が当たっていれば、それが植物育成ライトでもスポンジ表面に発生します。また、液肥容器の中に光が漏れれば、液肥の中で藻が増殖していきます
藻の対策
容器を遮光性にする為にアルミホイルを撒いたり、スポンジ上にハイドロボールを敷くなどして、出来るだけ直接光が当たらないようにします。
容器に発生した場合は、液肥の交換のタイミングで洗剤で綺麗に洗い落とすか、水洗いだけなら十分に乾燥をさせてから使用すると良いでしょう。

コメント