シソ(大葉)栽培の楽しみ方
食べて美味しい紫蘇の葉ですが、実は家庭菜園初心者が始める植物としても最適です。今回は栽培初心者さんの為に、紫蘇栽培の楽しみ方をご紹介いたします。
大葉とは青ジソの葉の部分
紫蘇はシソ科植物の総称であり、緑色のシソを青紫蘇、赤紫色のものを赤紫蘇と言い、えごまやちりめじなどその種類は豊富です。
スーパーなどでよく見る『大葉』は商品名の事で、シソ科植物の中の青紫蘇の葉の部分を言います。
香りの良い大葉は、薬味以外にもおにぎりに巻いたり、揚げ物に使用したりと料理に重宝しますが、栄養面ではβ-カロテンを豊富に含み、免疫力の向上や抗酸化作用があるとも言われており、野菜の中でも優等生的存在です。
紫蘇栽培の特徴
そんな優れものの紫蘇は、実に栽培しやすい野菜であることをご存知でしょうか。
土耕栽培、水耕栽培、室内栽培と栽培する場所を選ばず、害虫もつきにくい紫蘇は一株あれば挿し木によってどんどん増やすことが可能なのです。
場所を選ばない
作物のすべてにおいて、太陽の光が燦燦と降り注ぐ環境を好むわけではなく、柔らかい日差しを好む者、日陰を好む者に分かれています。
これを日照条件で分類したのが、陽性植物、半陰性植物、陰性植物です。
陽性植物なら6時間以上の直射日光がなければ生育できませんが、半陰性植物は木漏れ日や午前中の光が当たれば生育が可能です。一方直射日光を嫌うのは陰性植物です。
周囲を高い建物で囲まれているような住宅地の場合、6時間以上の日当たりを必要とする陽性植物は栽培がむずくしくなる傾向がある為、午前中の日当たりがあれば栽培できる半陰性植物か、陰性植物の栽培が向いています。
この点紫蘇は陰性植物の為、比較的栽培する場所を選びません。
コンパニオンプランツとして
紫蘇栽培はコンパニオンプランツとしての役割があり、ナスやトマト、ピーマン、キュウリなど夏野菜の近くに植えておくと、その強い香りで害虫を遠ざける事が分かっています。
コンパニオンプランツは他にも、マリーゴールドやバジル、パクチー、ミントがあり、それぞれ相性が良いと言われている植物の近くに植えることで効果を発揮します。
挿し木で増やす
挿し木とは、植物の枝や茎を切り取って土や水に挿して、発根させたものを定植する事で増やす方法です。
挿し木をする場合には梅雨入り前に行うのが良く、植物の中間にある葉のついている枝を選び、清潔な刃物で切り取ります。ここで不衛生な刃物を使用すると、切り口から親植物に病気が広がる恐れがあるからです。
切り取った枝の下の葉を取り除き、コップに水道水を入れて葉が浸からないように挿し、直射日光を避けた場所に数日~10日ほど置いておくと白い根が出てくるようになりますので、それをまた栽培します。
挿し木の場合、遺伝子はそのまま引き継がれる為、味や形は親と同じものになります。
シソの他、ミニトマトも挿し木で増やすことが出来ます。ミニトマトの場合は栽培過程で行う脇芽の摘葉で行うと良いでしょう。

シソ:脇芽がもう少し育ったら挿し木に
紫蘇につきやすい害虫

シソの葉に穴が開く場合は害虫被害の恐れ
一般に香りの強い植物は害虫が付きにくいと言われていますが、土を扱う場合には要注意です。
通常細菌は土壌の中に一定数存在しますが、ある植物を栽培する事でその植物を好む特定の菌が増殖を始めます。その為、毎年同じ場所で同じ種類の作物の栽培を避ける輪作を行うのですが、肥料を撒いた栄養豊富な土壌には害虫も好んでやってきます。
紫蘇に寄生しやすい害虫は、ヨトウムシ、バッタ、ハダニ、アブラムシ、ベニフキノメイガなど多く、葉に穴が開いたり縮れるなどの症状が出ます。
栽培で肝心なのは根の成長

5/10 苗のポット移植から14日目
シソに限らず植物の栽培はどれほど根を成長させられるかが重要で、根が成長する(太く長くなる)ためには、適度な土の柔らかさと圧着が必要とも言われています。
この点土耕栽培では根の状態を見ることが出来ない為、葉や茎の成長具合で水分や肥料を判断しなければなりませんが、良い環境で栽培が出来れば株はかなり大きく育ちます。
一方水耕栽培では根が水中に浮遊している為、圧着する事はできません。ですが常に根を観察出来ますし、栄養も規定の液肥を与えていれば十分です。
ただ土耕栽培に比べると株は小さくなる傾向があります。
水耕栽培で株を大きく育てるポイントは、十分な採光があり、かつ、根が窮屈にならない容器を使用することが肝心です。
栽培方法
栽培には畑への定植(直播)やプランター栽培、水耕栽培があります。
プランター栽培

庭に定植
プランター栽培の場合では、植物にあった大きさや深さがありますので、必ず栽培したい植物に適した物を使用します。
シソ栽培で適しているのは、長さが60cmある一般的な60型サイズで、排水用の穴が開いている物を使用します。
半日陰に置いておくと十分育ちますが、常に街灯が当たるような場所は避けるようにします(老化苗になる)。
肥料は葉が茂りだしてから2週間に1回、様子を見ながら与えるようにしますが、害虫は窒素分の多い肥料を好むため与えすぎに注意が必要です。
お勧めは水耕栽培

ペットボトル栽培と自作の容器移植栽培
窓辺で簡単に栽培できるシソは、料理に一日数枚使用する程度であるなら、個人的には室内栽培をお勧めします。
土を使わない水耕栽培は、土壌に暮らす細菌の心配がなく、外から風に吹かれて飛んで来る害虫も遮断でき、常に衛生的に管理ができるからです。
また食べたい時に食べたい分だけ(双葉を残して下から)葉を摘んで、一株を長期間栽培できる事はもちろん、挿し木でどんどん株を増やせる楽しみもあることもお勧めする大きな理由です。
ペットボトル栽培や自作容器が楽しい

4/30 苗の購入から9日目 この時はペットボトルの方が成長が良い
ペットボトル栽培についてはペットボトルで水耕栽培~向いている野菜はシソ(大葉)~でご紹介しています。
ペットボトルでも十分栽培を楽しめますが、今年初めて大き目のポットで栽培したところ、ペットボトルよりも葉が大きく育つことが分かりました。

初めはペットボトルの方が大きかったが、次第に逆転
苗が小さい内は根も小さい為、ペットボトルの飲み口くらいの大きさでも成長を妨げる事はありません。

飲み口の部分から完全に根を出さないと、根詰まりする。

ペットボトル移植後16日目の根
ですが、根は下にばかり伸びるのではなく、茎の上方(根が生えているその上)からも新たな根が生えてきまので、どうしてもペットボトルの飲み口部で圧迫されやすくなるのです。

5/10 (右)苗のポット移植から14日目

ポット移植から17日目 水蒸気を求めて新しい根は上からも。
なので、十分に株を大きく育てたいのであれば大き目のポットを使用すると良いでしょう。
苗からの栽培が楽

シソ栽培を始めるなら苗の購入が楽
春と秋にはホームセンターで多種多様の苗が販売されています。
シソは大抵一つの育苗ポットに、2株(本)くらいあるかと思いますので、分配して育てるのも楽しいでしょう。
苗の選び方
一般に双葉が揃った状態で枯れておらず、茎が太く節と節の間が間延びしていないものを選びます。
また、ホームセンターでは夜間の店頭の明かりにより、老化苗になることがあります。
老化苗の特徴は本来の開花時期よりもかなり早く花が付く、葉が黄色く、ポットの下から根がびっしり出るなど、一見すると成長が良いように思いますが、それ以上成長をしない為実もつかないと言われています。
苗の定植
苗を購入したら、一番花が咲く前に畑なり土に定植をしなければならず、4月下旬から遅くとも5月上旬には定植をします。
こ定植が遅くなると根が付かなくなり成長を妨げるからです。
シソの種まき

4/17 播種の様子 種は小さい

4/25 播種後9日目頃 発芽

播種後25日目
発芽は播種から9日目頃に確認できました。リーフレタスやラディッシュは数日で発芽しますので、少し時間がかかった感じがあります。
また、同じ日に播種をしても双葉がそろってからすぐにライトに当てた場合とそうでないものでは成長に差が生じますので、双葉がそろったら速やかに明るい場所に移しましょう。


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